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この3つを確認しないと電気自動車は脱炭素じゃない?

written by エコドライブ研究所 福田慎太郎

こんにちは!
エコドライブ研究所の福田慎太郎と申します。

今回は「脱炭素のために!」と思いながら、見落としてしまいがちなモビリティ分野の取り組みについてご紹介します。

■脱炭素のために、電気自動車(EV)に乗る前にはこの3つを確認
・充電は再エネなどのカーボンフリー電力でまかなえるか
・廃車までにどのくらい使用するか
・エコドライブは最大限に実践できているか

我が国の運輸部門からのCO2排出量は2020年度で17.7%(1億8,500万トン)。
その内、自動車からは87.6%(日本全体の15.5%)が排出されています。

そこで運輸部門の切り札!
のように言われているのが自動車の電動化です。

特にいまEVの生産が間に合わないほどが売れ行き好調で、多くの方が「みんながEVに乗ればCO2の排出はゼロになる」と思われているかもしれません。

政府も「遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現」という方針を示していますし、東京都や欧州の一部の国、アメリカなどは数年から十数年のうちにガソリン車などの新車販売を禁止しようとしています。

ですので、EVに転換していくことは世界のトレンドとも言えるでしょう。

しかし、現時点においては諸手を挙げて賛成できない点もあります。

それは、EVがCO2を排出しないのは走行しているときだけ、それも車両からは出ないというだけの話しだからです。

その車を走らせるための電気がどこから来ているのかをよく考える必要があります。

自宅の太陽光発電で充電するなど、カーボンフリー電力を使っているのであれば良いのですが、現状の電源構成においては、EVのCO2排出量はガソリン車より有利にはなりません。

なぜなら、LCA(部品製造から廃棄までのトータル)でのCO2排出量は約11万5千キロメートル以上を走行して初めてガソリン車を下回るといわれているからです。

もし仮にですが、あなたが年間5,000km程度の走行距離なのであれば、20年乗ってやっと10万キロです。
そこで廃車にしてしまえば「トータルでのCO2排出量はガソリン車に乗った方が少なかったね」ということになるのです。

そういった意味では、EVをはじめとしたエコカーにすることは大切なことですが、いつでもどこでも誰にでも簡単にできる取り組みであるエコドライブに取り組んでみてはいかがでしょうか。

もちろん、エコドライブをすればEVの航続距離を伸ばすことができますし、ハイブリッドカーでも燃費を大幅に良くすることができますよ。


この記事は寄稿記事です。
カボニュー寄稿記事に関するガイドラインに基づき執筆されました。


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