「もったいないを、ほっとけない。」企業や自治体、生活者、社会を巻き込み、花王が届けたい想いとは。
昨今では、「SDGs」「エコ」「サステナブル」などの言葉をニュースや広告などで頻繁に見聞きするようになりました。しかし、地球にやさしいことをしたいと思っていても、「ハードルが高そうだし、そもそも自分に何ができるのかわからない」と感じている人は多いのではないでしょうか。
サステナブルという言葉が一般的に浸透する前から、環境負荷の低い商品の開発に取り組んできた花王。本日は、PR「もったいないを、ほっとけない。」にこめた想い、花王のモノづくりや未来のためにできるアクションなどについてお話を伺いました。
写真左:花王株式会社 企業PR戦略部 高見澤りかさん
写真中央、右の順:花王グループカスタマーマーケティング(株)デジタルマーケティング部 足立絢香さん、牧野真也さん
「もったいない」は、日本でずっと大切にされてきた価値観
――――高見澤さん
「もったいない」という言葉は、古来より日本で親しまれているもので、モノの価値を十分に生かしきれていなくて、それを無駄にしている状態のことや、そのことを惜しむ気持ちとして使われてきました。そういう意味では、生活の中の小さなところに、さまざまな「もったいない」が隠れているのではないでしょうか。花王株式会社では、2022年より「もったいないを、ほっとけない。」を合言葉に、循環型社会に貢献するESG*1視点での商品開発や企業姿勢を、社会に向けて発信をしています。
*1 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業)を考慮した経営・事業活動のこと。
1987年に発売した粉末タイプのコンパクト衣料用洗剤「アタック」では、製品の性能を高めることで、従来の洗剤のサイズに比べて、約4分の1の小型化を実現。当時の洗剤は大きくて重く、買うときや使うときにお客さまのご負担になっていました。これを軽減することで、生活者の暮らしのお役に立つことはもちろんですが、同時に包装材料の省資源化、生産・物流における消費エネルギーの削減などにより、環境負荷も大きく低減したと考えています。
このように花王ではこれまでも、サステナブル視点を持って商品開発をしてきましたが、こういう取り組みをお客さまに知っていただく機会がありませんでした。改めて花王の取り組みや想いをお伝えしたいと思い、メッセージの検討を始めたのです。「花王はこんなことをやっています」と、どこか上から目線のような宣言ではなく、「皆さんの暮らしの中で、こういうお役にたっています」というような生活者の目線に合わせた言葉でお伝えしたい。そう思ったときに、日本古来の価値観であり、花王のモノづくりの姿とも重なる「もったいない」という言葉が浮かびました。
「なんか、花王が“もったいない”って言っているよね」とお客さまに気づいていただき、日々の暮らしを振り返っていただくきっかけになってくれたら…。そして、ゆくゆくはそれが輪となり、社会全体に広がっていき、未来を変えるチカラになるのではないかと思っています。
「もったいないを、ほっとけない。」を大切にした花王のモノづくり
――――高見澤さん
「もったいないを、ほっとけない。」という視点で開発された花王の商品や取り組みをいくつか取り上げてご紹介いたします。
<アタックZERO>
2019年に発売した「アタックZERO ワンハンドプッシュ」。1回押すときっちり5gの洗剤が量れるように設計されています。これまでの液体洗剤はキャップに洗剤を入れて計量していましたが、きっちり量ることって意外と難しかしいですよね。例えば小さなお子さまを抱っこした状態で使う場合や目盛りの見えにくい方が使う場合など、さまざまなケースがあって、そうした皆さんのユーザビリティを向上しようというのが、開発のきっかけでした。
ワンプッシュで正確に5g測れることで、洗剤の使いすぎを防ぐこともできます。洗濯時、汚れが落ちるか心配で少し多めに洗剤を入れてしまう人もいるかと思いますが、洗剤をたくさん入れたからといって洗浄力が上がるわけではありません。適量を使っていただくことが重要なんです。ワンハンドプッシュを使えば、簡単で便利、しかも、もったいないを無くすことができます。
<キュキュット>
食器用洗剤「キュキュット」にも、花王のイノベーションが活きています。泡立ちがよく注ぎ足さなくても泡が持続し、何枚も食器が洗えて、すすぐときにはさっと泡が消えるという生活者の理想を追求しました。「キュキュット」なら食器洗いのすすぎ時に約20%の節水ができます。
<つめかえパックの水平リサイクル>
花王では、使用済みつめかえパックを回収し、新たなつめかえパックに生まれ変わらせる「水平リサイクル技術」を世界で初めて*1実現しました。2023年5月からは、再生材料を一部に使用したつめかえパックを一部の店舗で販売しています。
一社だけでできることはどうしても限られてしまいます。パートナーとなる企業、自治体、そして生活者の皆さんと一緒に手を取り合って、サステナブルな世界を目指していくことが大切です。だからこそ、この開発した技術や取り組みを自社内にとどめることなく、広く社会に広げていくことで、社会全体でのリサイクル推進にも貢献していきたいと考えています。
*1 国際出願WO2022 / 124146A 請求項14を根拠に「世界初」を表現(国際調査機関が新規性ありと見解)
目指すのは、私にとってもみんなにとっても良い社会
――――足立さん
SDGsという言葉は今や約8割の人が知っていると言われていますが、実際に行動に移している人は1割程度にとどまっていると聞きます。その理由は、「やらなければいけないとわかっていても、何から始めていいかわからない」「なかなか自分ごとにしにくい」ということを、よく耳にしています。
社会のためにいいことだとしても、無理に我慢したり、暮らしを不便にしたりするのは、なかなか難しいことだと思います。そこで思いついたのが、生活者にとって便利でありながらサステナブルな花王商品のように、「頑張らなくても社会貢献ができる仕組み」です。そして、この想いに共感してくださる企業の皆さまとスタートしたのが「お買いいもの~It’s Shopping for Good.〜」キャンペーンです。
――――牧野さん
「お買いいもの~It’s Shopping for Good.~」キャンペーンは、花王や他メーカー様の対象商品をペイメント決済で購入するだけで自動的にご参加いただけます。また寄付先についても、各世代の抱える関心や興味を中心に自分ごとにしやすいテーマを検討しました。
我々自身も生活者の一人として、どういうキャンペーンなら気軽に参加できるか、興味が湧くかというフラットな目線で考え、この仕組みを各企業様と連携して構築していきました。
――――足立さん
「お買いいもの~It’s Shopping for Good.~」キャンペーンで目指しているのは、私にとってもみんなにとっても良い社会です。いつもよりもおトク(得・徳)に買いものができるから、私にとってうれしいし、応援したい社会貢献に寄付できる仕組みになっているので、社会やみんなにとってもうれしい。いつも通りのお買いものをするだけで、「いい」が広がっていくイメージを持っています。
昨年の「お買いいもの~It’s Shopping for Good.~」キャンペーンでは約30万人の方に参加いただき、大きな手応えがあったと感じています。また、SNSなどではご自身が選んだ寄付先をシェアしてくださる方もいらっしゃって、「こんな寄付先があるよ」、「普段の買いものの延長で気軽に社会貢献できるのがいいね」といったポジティブなコメントも見られました。今年は、昨年よりももっと多くの方にお買いものを楽しんでいただけるように決済方法や参加メーカーも拡大して実施します。我々の想いに賛同して下さった小売業様の店頭からこのキャンペーンにご参加いただけますので、これを機に花王の「もったいないを、ほっとけない。」視点で開発された商品を一度お試しいただけたら、うれしく思います。9月1日から「お買いいもの~It’s Shopping for Good.~」キャンペーンが始まります。ぜひ遊びに来てください。
まずは、身の回りの「もったいない」に気づくところからはじめてみる。そして、「ほっとけない」「ほっとかない」の視点を持つことで、気づきをアクションに移すことができる、と教えていただきました。気づくことも、環境にいいアクションのひとつなんですね。
小さな行動は「意味がない」ではなく、「小さなことでもやってみる」ことが大切なんだと今回の取材を通して感じました。
商品やサービスの後ろに隠れたさまざまな「想い」を今後もカボニューで紹介していきたいと思います!