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【スローに歩く、北欧の旅#49】いらなくなった服を物々交換!スワップショップって?

みなさん、こんにちは。北欧を旅するライターの森百合子です。カボニューにつながる、北欧での体験を紹介するこの連載。今回はスウェーデン発のユニークなリサイクルショップについてご紹介します。


古着でおしゃれがあたりまえ

リサイクル文化が根づき、蚤の市や中古品の店が充実している北欧の国々。昨今では、若い世代の間では新しい服を買わずに古着でファッションを楽しむのは当たり前、むしろカッコいい!と、そんな流れもあるようです。最近ではショッピングセンターや空港内にまでリサイクル店が進出しているほどで、古着に対するイメージがこの数年でがらっと変わっていってる印象を受けます。

町のあちこちにあるリサイクル店をのぞくと、服のコーナーがきちんと整理されていて見やすいことに驚きます。ディスプレイもおしゃれで、かつての古着屋的な、ごちゃっとした陳列とは違う世界が広がっています。
北欧ならではのブランドやニット製品など、新品では躊躇するお値段のアイテムがいいコンディションで見つかったりすることもあり、わたしもよく利用しています。

独自通貨でスワップしてリサイクル

さてそんな中でもユニークな存在が、スウェーデンの町マルメにあるスワップショップです。スワップとは交換する、という意味。古着や古物を持ち寄って物々交換をする「スワップミート」と呼ばれる文化がありますが、そのやり方に近いお店なのです。

持ち込んだ古着やアクセサリーを査定してもらうところまでは従来のリサイクル店と同じ。でも買取の際に支払われるのは現金ではなく、ショップ独自の通貨なんです。このグリーンハートとよばれる通貨を使って、店内にある品と交換することができる、そんな仕組みなのです。

ものは試しと、せっかくなので私も日本から古着を持っていってスワップに参加してみることに。どのくらいの値段がつくかドキドキしながら見守っていると、思っていたよりも高く買い取ってもらえそうな雰囲気です……!

結果、スカートには10グリーンハート、帽子には7グリーンハートの値が付きました。1グリーンハートは20スウェーデン・クローネ(約280円)に換算され、買取が成立した際には手数料として買取価格の25%を現金で支払います。

このシステムに際して「え、買取なのにお金がかかるの?」と最初は驚きましたが、「今の時代は服が大量に廃棄されています。リサイクルをするにもコストがかかるということを理解してほしいんです。私たちの給料もここから支払われるんですよ」と説明がありました。この言葉にはドキリとしました。確かに、捨てずにリサイクルできるのは嬉しいですが、だからといって、ほいほいとリサイクルに回せばいいや、という考え方になってはダメですもんね。

スワップ・ショップのオーナー、ジェーン・オルソンさん(写真左)は2013年に店をスタート。雑誌や消費者団体によるリサイクル関連の受賞歴も多く、店内には賞状や、メディアで紹介された記事が飾ってありました。毎年ストックホルムで開催される、リサイクル関連企業や団体を表彰するリサイクル・ガラで「もっとも影響力を与えた人物」として受賞した経験もあります。

店内を見回して、交換したいものがすぐに見つからない場合には、オンラインでアカウントを作って、持っているグリーンハートを貯めておくこともできます。またグリーンハートが足りなければ、現金に換算して買うこともできます。

リサイクルをもっと身近にする工夫

女性の服やバッグ、アクセサリーが目を引きますが、子ども服やおもちゃ、絵本のコーナーもありました。売り物の絵本の他に、子ども達がリサイクルについて学べる絵本も置いてあって、私が訪れた時にもお母さんと子どもがソファに腰掛けて利用していました。子どもの服やおもちゃはとくに、こうしてスワップできるといいですよね。

スワップショップがあるのはマルメの中心地にあるショッピングセンター内。店の外にはテーブルやベンチが用意され、店内にも大きなソファがあります。店の片隅ではアイスクリームやドリンクも販売していて、商品を見ながらひと息ついていく人々も。販売しているアイスクリームやドリンクも、廃棄食材を再利用した製品でした。

私はといえば、洋服はこれといったものが見つからず、絵本コーナーでかわいい一冊を見つけて交換することに。残りは貯めて次回また訪れる楽しみにとっておくことにしました。

小学校へ行き始めた男の子と女の子が学校で習うことを、読者にも語りかけながら一緒に楽しむという内容。ページをめくるとサンタクロースと猫さんが。「あなたならこの絵からどんな物語を想像しますか?」というもの。サンタさんはプレゼントを落っことしていますが、ハチワレ猫ちゃんはさてどうする……? ちなみにスウェーデン語で物語やおとぎ話のことをサーガといいます。それではヘイドー(スウェーデン語でまたね)!


プロフィール  森 百合子(もり ゆりこ)
 

北欧5カ国で取材を重ね、ライフスタイルや旅情報を中心に執筆。主な著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧ゆるとりっぷ』(主婦の友社)、『いろはに北欧』(学研プラス/地球の歩き方)など。執筆活動に加えてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』『趣味どきっ!』などメディア出演や、講演など幅広い活動を通じて北欧の魅力を伝えている。築88年の日本家屋に暮らし、北欧デザインを取り入れたリノベーションや暮らしのアイデアも実践中。 
HP:https://hokuobook.com
Instagram:@allgodschillun

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