【スローに歩く、北欧の旅#9】フィンランド発、クリーニングデイとは?
みなさん、こんにちは。北欧を旅するライターの森百合子です。カボニューにつながる、北欧での体験を紹介するこの連載。今回はフィンランドから生まれた、ユニークなリサイクルイベントについてご紹介します。
町全体が蚤の市!
蚤の市が盛んな北欧。初夏~秋にかけて毎週のようにどこかしらで開催され、ビンテージや古道具好きの人にはおすすめの旅シーズンです。
私も旅をする時は滞在期間中にどこで蚤の市が開催されているかを調べて、大規模なものからローカルな蚤の市までちょくちょくのぞいてきました。なかでもユニークな試みだなと思ったのがヘルシンキで開催されているクリーニングデイです。
年に2回、5月と8月の最終土曜日に開催されるクリーニングデイ。
フィンランド語で「Siivouspäivä(ホームクリーニングの日)」と呼ばれ、開催日にはあちこちでこのクリーニングデイのロゴを見かけます。
家にある不用品をリサイクルして、さっぱりしちゃいましょうというわけですが、それなら通常の蚤の市とはどう違うの?と思いますよね。
蚤の市といえば会場が決まっていて、そこに出店者が集うものですが、クリーニングデイの場合は指定の会場はなく「誰でもどこでも」参加できるというのがポイント。近所の広場や公園で出店してもよし、家の庭でやってもよし。みんなで参加して町や地域全体を蚤の市にしてしまいましょう!という試みなのです。
公園から自宅の庭まで
参加者はクリーニングデイの公式サイトに出店場所や時間、売るものを事前に登録。買いたい人は、マップを見て最寄りの出店場所を確認できるというシステム。
やはり大きな公園や広場は参加者が多いのですが、住宅街の中庭や、「えっ、こんな道の上で?」と思うような場所にも出店しているのが面白いんですよね。
蚤の市好きにとってはまさに町をあげてのお祭りのような一日ですし、ガイドブックに載らないような公園や住宅街にまで足を伸ばしたりと、旅行者にとっては街歩きの楽しさが広がる日です。
実際に公園をのぞいてみると……すごい人!
5月も8月も外で過ごすのには最適の季節で、友人や家族とピクニックがてら楽しんでいるようにも見えます。手づくり菓子の販売もあったりと、文化祭のような雰囲気ですね。
日本でも開催
近年はビンテージデザインのブーム再燃もあり、大きな蚤の市へ行くとプロの出店が目立ち、名品探しの場として過熱気味な側面もありますが、クリーニングデイが重視しているのはあくまでも不要になったものを捨てずに次へとつないでいくこと。そして地域の交流を促す場にもなっているようです。
ヘルシンキでは、こうした地域密着型のイベントが他にもいろいろ生まれています。
たとえばプロでなくとも食を作り売る楽しさを体験できる「レストランデイ」。またフィンランドといえばサウナの国ですが、普段は住民や職員だけが使えるプライベートなサウナを誰もが利用できる「サウナデイ」なんていうイベントもありました(現在は休止中の模様)。
どのイベントもやはりポイントは、誰でもどこでも参加できること。楽しい時間や体験を共有し、環境や食について考え参加するハードルを下げる役割も担っているように思います。また公式サイトなど運営に必要なシステムはありますが、とくに主催団体がいるわけではなく、あくまでも自主的に楽しもうというスタンスもフィンランドらしいなと思います。
2012年からスタートして以来、広がりを見せ今ではヘルシンキだけでなく、フィンランド各地の町でも開催されているクリーニングデイ。じつは日本でも開催されているんです。
日本のクリーニングデイ事務局では「アップサイクル」という言葉を掲げ、ワークショップなども連動して展開しています。5月と8月の開催以外にスピンオフ企画などもあるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
クリーニングデイ・ジャパン
ヘルシンキのクリーニングデイで訪れた住宅の中庭で会った猫さんです。それでは、モイモイ!(フィンランド語で、またね!)
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