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【宇宙×海ゴミ #3】化学の力でゴミを宇宙の資源に

written by  三菱ケミカル㈱ ポリマーズ&コンパウンズ/MMAビジネスグループ 新規事業創出プロジェクトチーム

こんにちは、三菱ケミカル㈱新規事業創出プロジェクトチームです。
私たちは「人工衛星データと三菱ケミカル㈱の化学技術を組合せ、宇宙から見つけた海洋プラスチックごみを生まれ変わらせられないか」というアイディアで新たなソリューションを検討しています。

プロジェクトの内容については過去の記事をぜひご覧ください!
プロジェクト概要について

■私たちの紹介と海洋プラスチックごみ問題の課題について


これまで、私たちが社会課題である海洋プラスチックごみ問題に貢献したい、その中でも海ごみ回収への課題にアプローチしたいという思いを述べさせていただきました。

「どこに・どのくらい・どんなもの」があるか事前にわかれば回収の効率を上げ、再び資源として最大限に活用できるのではないかと考えるなかで、視点を高く高く上げていくうちに私たちのアイディアの最大の目玉である「宇宙」につながりました。

具体的には人工衛星画像によるリモートセンシング技術※を活用し地球上で海ごみがありそうな場所をモニタリングするというものです!
※リモートセンシング技術とは、遠く離れたところから物に触らず「形、色や温度、距離」を計測する技術のこと。

人工衛星は民間企業の参入が進むことで打ち上げが年々増加し、2021年からの10年間で10倍もの台数に拡大することが見込まれているほど。衛星データ市場の規模としてもCAGR(年平均成長率)20%程にもなるという予測もあることから、急速な発展が期待される領域です!

私たちも人工衛星画像から海ごみを識別できないかトライしてみましたが、独力ではハードルの高さを実感する結果となってしまいました…。
しかし、ここを乗り越えるべく、宇宙ビッグデータ活用のトップランナーでありJAXAスタートアップ企業である「株式会社天地人」さんに技術的なサポートをいただけることとなり、衛星画像の海ごみのモニタリングの分野への活用について前に進むことができました。

■株式会社天地人

宇宙ビッグデータを活用し、まだ誰も気付いていない土地の価値を明らかにしていくスタートアップ企業。高精度・高分解能な地球観測衛星データと独自開発の土地評価エンジンでビジネスソリューション開発を行う。
https://tenchijin.co.jp/
https://note.com/tenchijincompass


<受賞歴>
・内閣府S-Booster2018にて、審査員特別賞、ANAホールディングス賞、JAL賞をトリプル受賞。
・「J-TECH STARTUP 2020」に採択。
・「Gravity Challenge」の課題で日本企業で初めての優勝。
・「Orange Fab Asia Fall 2021」に採択。
・「Hello Tomorrow」が選ぶ有望なプロジェクト「Deep tech Pioneer」に選出。
・国連開発計画(UNDP)が主導する「Japan SDGs Innovation Challenge」のSDGsチャレンジ企業に選出。

人工衛星から取得した画像を解析し海ごみの存在を明らかにすることで、私たちの描くアイディアの実現に希望がみえてきました!

実際に日本のとある場所の海岸線の画像と、そこから解析した海ごみ(漂着ごみ)があると推測した場所を解析した画像がこちらです。


検出前

検出後

このように人工衛星からの画像ではかなりの広範囲を一度に画像に収めることができています。その中からごみがあると検出された場所が黄色に変わっており、ここからごみの量、場所などを推定できるというわけで、今後、実際に解析した場所へ回収に行き、その効果についても検証を予定しています!

この解析技術の向上や解析後から回収につなげていく仕組みについてもパートナーの方々と一緒に作り上げていきたいと、日々奮闘中です。
回収したごみをどのような用途に向けて生まれ変わらせるのかについては私たち化学メーカーの腕の見せどころと考え、チャレンジングで今までにないような形を思い描いております。

次回は私たちが提案する「ごみの活用方法」について紹介させていただきたいと思いますのでお楽しみに!



この記事は寄稿記事です。
カボニュー寄稿記事に関するガイドラインに基づき執筆されました。