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高校生と大学生が、余った食品を寄付してみた!【アースデイ東京ユース連載 #2】

6月から始まった、アースデイ東京ユース連載では全国の高校生・大学生が1年間フードドライブを通して成長していく姿を密着取材。
カボニューを通じてメンバーの活動をレポートします!


フードドライブを通して、アースデイユースメンバーと達成したいこと

皆さんこんにちは!
アースデイ東京ユース代表の辻田創(つじたそう)です!

この連載で取り上げる、「食」についてのアクション「フードドライブ」。前回の記事では、参加する高校生や大学生メンバー、団体を紹介しました!(前回の記事はこちら

僕がこの12回の連載で達成したい目標…

それは、誰でも挑戦しやすい「食についてのアクション」を1年間のフードドライブ実験で見つけることです。
そのために、僕自身も毎月フードドライブに取り組み、全国のメンバーと振り返りをし、活動のデータを収集します!
1年を通してフードドライブを定量的に分析したり、心理的ハードルを明らかにしたりしながら、継続的に取り組めるフードドライブなどの食アクションを、仲間と考えたいと思っています。

僕はまじめですよ~~~(笑)。
 
現段階では、各メンバーが心行くまで、フードドライブや食品ロスを無くすためのアクションに取り組んでいます。毎月みんなと話して活動を振り返る機会があるので、そこでそれぞれが抱いた課題や違和感を見つけていく…そのように進めています。

200個のレタスと44本の大根:近大C.S.S


いきなりですが、皆さん…。

やばいです。

2日間でレタス200個と大根44本を売りさばいたことはありますか??

今回のメンバーである、「近畿大学食品ロス削減推進プロジェクト」C.S.Sさんが、捨てられるはずのレタス200個と大根44本を2日間で売りさばいたとの報告が入りました!!🎉

そこで、今回はC.S.Sさんの取り組みをピックアップします!

2022年5月4〜5日のゴールデンウィークの二日間、大阪府鶴見にある三井アウトレットにて規格外野菜の販売とクイズラリーを開催。そこで、廃棄されるはずだった200個のレタスと44本の大根を消費者に届けることに成功したそうです!!

皆さん、「規格外野菜」は聞いたことがありますか?

これは、キズが入っていたり、傷んでいたり、形がいびつだったり、小さすぎたり…などの理由で販売できず、廃棄される野菜のこと。

農水省の2018年の作況調査によると、生産される野菜の約14%は、このように収穫されてから小売りに出されるまでに廃棄される規格外野菜だと考えられており、量としては年間200万トン弱に及ぶそうです。

C.S.Sさんは毎月農家さんのお手伝いをして、その対価として規格外野菜を受け取り、子ども食堂に寄付をする活動をしています。

普段お世話になっている農家さんからは200個のレタスをクール便で、44本の大根は直接持って来てもらい、そのレタス1玉を50円、大根1本を50円で販売。9人のメンバーで「規格外野菜を50円で販売してます!」と声がかれるまでアピールしたことで、テントの前にはすぐに、大きな人だかりができたそうです!

枝分かれや曲がっているというだけで規格外になった大根(葉付き)。お客さんには「形がカワイイ!」「葉っぱ付きがほしかった!漬物やふりかけにできる」と大好評で、なんと1日で44本完売!

本来であれば、廃棄するのにお金がかかるところ、むしろ利益が…!「何が規格外で、何が規格外じゃないか」その基準は売り手と買い手次第だということがわかりました!

一方、レタスなど、見てすぐに傷んでいると分かるものはお客様からも「売り物にならないでしょう」「これは汚いね」など、否定的な声をかけられたそうです。

C.S.S代表の長野さんは、「どうしても、見た目で判断してしまうため、中身は美味しいと伝えたいけれども耳を貸してくれない」と食品ロスの課題に言及。

「リアルなお客様の意見が聞けたことは大きな学びです。正直、やる前は野菜250個を売り切れないと思っていました。でも、頑張れば売れる、食品ロスは減らせることが分かり、すごく自信がつきました。特に、想像していたより多くの人が「レタス50円」に足を止めてくれた。社会貢献は押し付けなくても「安い」という理由があれば購買意欲にもつながる、 win-win になれる!規格外野菜でも「十分、食べられる」ということを継続的に伝えていけたらいいなと思います」と今後の抱負も語ってくれました。

C.S.Sさんの取り組みは、2日間で約250の規格外野菜を販売することができる、ある種の証明だと感じています!今回の事例を見て、このような取り組みが全国的に広がることを期待しています。

近大C.S.SのInstagramはこちら👉

他団体の進捗レポート

他のユースメンバーは、家庭などの身のまわりで余った食品を、フードドライブの実施場所に持っていきました。

その中で、メンバーが共通して感じたことがあります。これは、今後のフードドライブを続けるにあたり、課題になりそうです。

「自分が貢献しているのか見えづらい」
「思ったよりも集まらず、もう少し宣伝が必要だった」
「支援する側の想いが伝わればいいのに」
「寄付した食品の届け先が分からず、もやもやする」

高橋柊里さんのNEXTドライブ

「今回行ったフードバンクには賞味期限はなかった。次回、ほかの団体は賞味期限に制限があるのか聞いてみたい」
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たくとくんのNEXTドライブ

「今回たまたま集まらなかっただけかもしれないので、もう少し継続することでデータを集めたい」
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上垣内杏さんのNEXTドライブ

「学校でフードドライブ を7月に実施できないか動いてみる」
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高校生団体リレートのNEXTドライブ

「団体の全メンバーが大学受験に向けて勉強に忙しく、時間をかけすぎずいかに効率的に情報を集めて学校などで発信できるかがテーマ」
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「見えるフードドライブ」の在り方を探していきたい

誰の支援に繋がったのかが想像しにくい仕組みに違和感を持つメンバーが多かったようですね。

支援先が想像できない、もしくは見えない仕組みは、支援者と受益者の物理的距離だけでなく心理的距離も広げてしまうと考えます。日本における貧困問題は相対的貧困層が大半を占める構造上、意識的に生活していないと貧困問題に触れる機会は多くありません。

食品ロス問題にしても、ロスに直面するのは消費者が見えない生産場所、製造・加工工場、調理場、廃棄場です。ただでさえ問題が見えないようにカモフラージュされた構造…。現状のフードドライブでも支援者と受益者の間に壁があって、間接的にしか交流が生まれないようになっているように感じます。

例えるなら、燃え盛っている火に対して目隠しして放水しているような状態!水が必要だと分かっているので放水はしているものの、火がちゃんと小さくなっているのか、大きさは変わらないのか、全然水が足りていないのか、そもそも放水したい方向に水が出ていないのか、など、消防士だったらこれでは仕事にならないし、地域の人も不安がぬぐえませんよね。

自分の寄付食品がどこに運ばれて、どんな効果があるのか?「見える」フードドライブの在り方について、来月以降もメンバーと一緒に考えていこうと思います!

今回も記事を読んでいただき、どうもありがとうございました!

アースデイ東京ユース代表・辻田創でした。

それでは!


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