捨てられるはずのバナナを使ってケーキ作り!京都の高校生が考える食品ロス削減のアイデアとは?【アースデイ東京ユース連載 #7】
前回の振り返り
皆さん、あけましておめでとうございます!
2023年もよろしくお願いします。
アースデイ東京ユース代表で、年男の辻田創(つじたそう) です!
前回の記事では、大学1年生のしゅりちゃんが、寄付された食品を実際に必要としている方に手渡すボランティア活動に参加した模様をお届けしました。現場へ足を運び、寄付した食品が誰かの役に立っていることを自分の目で見届けることで、フードドライブの必要性を再認識したという内容でした。
▼記事はこちら
今回は、京都府でEarthteenageR(its)sの代表をしている高校3年生のあみちゃんとその団体メンバーが新たに取り組んだ食品ロス削減活動について、シェアしようと思います!
余った食べ物をおいしく活用する方法を発信!
あみちゃんをはじめ、EarthteenageR(its)sのメンバーは、余った食べ物の活用方法を、月に一回発信することに。
この活動を始めようと思った理由について、代表のあみちゃんはこのように話してくれました。
――あみちゃん
「家で料理を手伝うことがあるのですが、その際に野菜の皮やへたを捨ててしまうことに違和感を覚えて、何か有効活用する方法はないかと考え始めました。
私は、日頃SDGsにまつわる情報発信をしているEarthteenageR(its)sという団体の代表をしているので、その一環として、家庭でできる環境に良い野菜の有効活用方法を発信したら面白いかも!と思ったんです。」
SDGsを国際的なスローガンで終わらせるのではなく、社会の一員として、自分が環境のために貢献できる方法を考えて、身近なことから改善しようと取り組む姿勢。さすがZ世代!という感じですね…!
家庭の食品ロスについて、消費者庁が平成29年に徳島県で実施した食品ロス削減に関する実証事業の結果によると、食べ物を廃棄する理由として、「傷んでいたから」「期限が切れたから」など、調理される前の理由が約3割を占めていることが分かります。
卵の殻などの食べられないものが廃棄されるのは理解できるものの、まだ食べられるのに捨てられてしまうものがあるという現状に、疑問を抱いているという、あみちゃん。
今回、家庭の食品ロスと身近な視点から向き合い、改善していきたいという想いのもと、あみちゃんとEarthteenageR(its)sのメンバーが、捨てられるはずのバナナを使ってバナナケーキを作ってくれたそうです!
食材を使い切る方法がたくさんあることを伝えたい
――あみちゃん
「今回は家で余っていたバナナを使って、バナナケーキを作りました。使ったバナナは、傷んで変色していたので、お母さんが捨てようとしていたものです。たまたま私がそこに居合わせたので、バナナをレスキューすることに。変色していたとしても、おいしいケーキに生まれ変わらせることができるんです。」
▼使った材料はこちら
砂糖60g、バナナ150g、薄力粉120g、ベーキングパウダー7g、バター60g、卵1個
この活動がなぜ社会にとって大切なのか、あみちゃんに聞いてみました!
――あみちゃん
「私自身、食べられる食品が目の前で廃棄される場面を、学校の食堂などで何度も目にしてきました。フードロスを減らすために、調理方法を工夫するなどして、『すぐに捨てるのではなく、使い切る方法がたくさんある』という認識を、社会に広めることが必要だと思います。
例えば、野菜のへたや皮は栄養があるので、ゆでて出汁を作ったり、缶詰を使ってトルティーヤを作ったり…賞味期限が切れたり傷んでしまったりしたものでも、調理方法を工夫することでおいしく食べられます。
食品ロスの課題は、『何が食べられて、何が食べられないか』『どの部分が食べられて、どの部分が食べられないのか』などが不明確なことだと思います。それについてのガイドブックを作りたいと思い、活動を始めたところです。
食べ物が大量に捨てられる場面を目にする機会はあまりないので、特に同世代が、食について考える機会を作れたらいいなと思っています。」
食品ロスの課題や、それに対する解決策が明確で、素晴らしいですね!毎日家で料理をする世帯が多い中で、この意識が広がっていくと、大きなインパクトが生まれるんじゃないかと僕もワクワクしています!
ちなみに、他の3名のメンバーは、油揚げを使ったコロッケ、ブロッコリーの芯を使った野菜炒め、フルーツケーキを作ったようです。
彼女たちも、「食材のどの部分を食べられるのか、食べられないのか」が分からないことで、廃棄するか否かの二択で考えてしまうため、結果的に食品ロスが増えてしまうのではないかと、同様の課題感を感じているようです。
確かに、「どうやったらおいしく料理を作れるか」や「どうやったら時短で効率的に料理を作れるか」などを教えてくれる本はよく見かけるものの、「どうやったら食材を全て使い切れて、地球にも優しい料理を作れるか」を教えてくれる本ってあまり見ないですね。
このような料理ガイドブックが、家庭だけでなく、飲食店でも使われるようになると、世界中の食品ロスを削減できるようになるかもしれませんね!!
あみちゃんとEarthteenageR(its)sの皆さん、お疲れ様でした~!
他メンバーの進捗レポート
ここでは、今回フードドライブ企画に参加している団体から数名をピックアップして、彼らの活動の進捗をシェアします!今日も、それぞれが食品ロスについて考え、自分にできるアクションを行っているようです…!
しゅりさん
今年は大学外のプロジェクトに参加したいと考えています。7月頃から所属している「畑ラボ」という岩手県の学生で構成された農業団体で、農家さんとのつながりを通じて食品ロスを削減する活動をしていきたいと思っています。
近畿大学食品ロス削減推進プロジェクトC.S.S
先日、奈良県の農家さんのお手伝いに行ってきました。干し柿作りチームと大豆収集チームに分かれて作業。ボランティアで来ていたフランス人留学生とも英語でコミュニケーションを取りながら一緒に作業できました!
高校生ボランティア団体リレート
イオンにあるフードバンク筑紫にて、フードドライブに参加し、その担当の方にインタビューしてきました!「残るものを廃棄するのはもったいないし、食に困っているお客様に届けることができるのであれば…」との想いで開催されているそうです。寄付される食品の数が前回よりも確実に増えていて、継続することでフードドライブの認知が広がってきていると感じました!
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました!来月の記事もお楽しみに!