見出し画像

”タンパク質”をデザイン!地球にやさしいファッションを楽しもう

こんにちは。カボニュ―スタジオの二宮です。
早いもので、私の記事も第三弾となりました。
毎回どんなことを書いたらおもしろいかなあと、読者の皆様を想像して楽しく書かせていただいています♪

冬になると、セーターやマフラー、手袋が手放せないですよね。
この時期になると、店頭で「最高級カシミヤ」などという言葉を目にすることが多いのではないでしょうか。私もついつい目を光らせて覗いてしまいます!

カシミヤ素材はとっても肌触りがよく、保温性に優れているので、特に冬物で人気な素材です。
「カシミヤヤギ」という動物の産毛を採取してつくられる動物繊維なのですが、実は1頭あたり採取できる量が限られることから、過放牧による砂漠化が問題視されているのです。

ファッション産業が抱える環境問題への課題

衣服の生産と消費による環境汚染についてご存知でしょうか?
「カシミヤヤギ」の過放牧による砂漠化のみならず、
石油由来の合成繊維(ポリエステル、ナイロンやアクリル)を材料とした製品製造では、大量の温室効果ガスを排出しています。

今回は、そんなファッション産業が抱える課題につながる、まったく新しい素材である「Brewed Protein™︎ファイバー」をご紹介します。
今年、有名アーティストの衣装でも使用され話題になっているんです!

Brewed Protein™︎ファイバーとは

植物由来の原料を元に、微生物発酵で生産される人工タンパク質素材「Brewed Protein™︎」を用いた繊維のことです。
石油由来の繊維(ナイロン、ポリエステル)や動物由来の繊維(カシミヤ、ウール)と比べて、環境への負荷を低減したサステナブル素材として注目されています。

気になるデザイン性・・・

Spiber株式会社では、植物由来の原料を元に微生物発酵プロセスを通して製造され、繊維やフィルム、樹脂などに加工することができる、「Brewed Protein ™︎」を開発しました。
この素材は、シルクのような光沢をもつ長繊維や、短繊維を紡いだ紡績糸を使ったニット、デニム風素材、レザー風素材などあらゆる素材を使用した多様な形態へのデザイン、加工を可能にしています。

出典:Spiber株式会社ホームページ

アウトドアブランド「THE NORTH FACE」では、2019年に世界初となるBrewed Protein ™︎ファイバーを使用したアウトドアジャケットを発売しました。

「MOON PARKA」 THE NORTH FACE」
ゴールドウインとSpiberが共同研究開発し、2019年に発売


また、有名アーティストのライブ衣装ではA-POC ABLE ISSEY MIYAKEチームがデザイン・制作を手掛けるなど、Brewed Protein™︎ファイバーは多くのブランドから注目され、デザイナーやクリエイターの方々にインスピレーションを与えています。

2024年 A-POC ABLE ISSEY MIYAKEチームが手がけたツアー衣装

実は私も上記でご紹介したアーティストのライブに参加し、生でA-POC ABLE ISSEY MIYAKEチームが手がけたツアー衣装を拝見してきました!
遠目から見ても流れるようなユニークな形状であることがわかり、
「衣装の全貌は一体どうなっているんだろう…?」と目が離せず、その美しい造形に魅了されてしまいました。
アーティスト自身も、衣装がとても軽く、環境に配慮した素材であることをお話されていました♪

地球にやさしい、ファッションをたのしむ

”タンパク質”をデザインし、着ることができる時代。
もし着用する際には、着ている時間だけでなく、ぜひその生産工程にも想いを馳せてみてください。

お気に入りの衣服の素材に目を向けてみると、より一層今着ている衣服を大切に、こだわって選ぶことができそうですね。

誰もが毎日身に着けるものだからこそ、一人一人がちょっとだけ意識するだけでとても大きなインパクトになります。
ぜひ考えるきっかけになれば幸いです。